ITは、いかに騙すか、騙されないかの時代 〜LINEの情報管理体制、Clubhouseの音声が中国のサーバに送信されていた件〜

LINEが個人の情報を扱う業務を中国の企業に委託していたことが報道され、世間を騒がせています。また、LINEで共有された画像や動画が、韓国のサーバに送られていることも問題になっています。
今後は、日本国内のサーバに移転するなどの措置をとるようですが、問題はデータのある場所ではなく、誰がそれにアクセスできるかというところです。

私は20年ほど前に、小さなウェブ制作会社に努めていました。
そこは、小規模ながら社内でウェブサーバとメールサーバを持っていました。
私は、サーバの管理を任されていたのですが、正直、誰のメールでも読むことができました。

個人のデータが悪用されるか否かは、データを保管している場所ではなく、最終的には、その管理者の良心如何に委ねられているのが本当のところです。

また、もうすっかり下火になった音声SNSのClubhouseですが、登場当初は、どっから見ても「アメリカのアプリです!」って顔をして、芸能人への猛アプローチをかけて利用してもらうという作戦で、一般ユーザーを急増させていきました。

しかし、蓋を開けてみると、音声のやりとり部分を開発したのは、中国上海のAgora社でした。もちろん音声データはAgora社のサーバを経由しています。

Agora社のサーバは、アメリカと中国にあるようです。中国にあるサーバを経由した場合、中国政府が治安維持に必要としたデータはもちろん政府に提出されるわけです。
2021年2月にClubhouseが中国国内で使用禁止になるまでは、天安門、 新疆ウイグル自治区、香港問題が中国国内、香港、台湾で大いに盛り上がっていたそうです。
国家安全維持法を発動する証拠はたっぷり集まったというわけです。

LINEは、全てのデータを日本国内に移動し、中国からのアクセスを遮断すると発表していますが、本当にそうしたかを調べる方法はありません。
私たちにできるのは、信じるかどうかということ。

いくらIT技術が進んでも、自分の情報を守るのは自分しかいません。
一番簡単な方法は、基本的にサーバにアップするデータやSNSでやりとりするデータは、どうなってもいいものだけにすること。間違っても家族の写真などはアップしないように。